見るだけじゃなく味わおう!料理に使えるオリーブの育て方とおすすめの食べ方

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シンボルツリーとして自宅に迎える人も多いオリーブの木。眺めるだけでも素敵ですが、じつは果実を食べるという楽しみ方もあるんです。

今回は「オリーブを食べる」ということをテーマに、育て方や収穫方法をお伝えします。さらに、初心者さんでも挑戦しやすい品種や果実の漬け方もご紹介。これを機に、オリーブに詳しくなってみませんか?

そもそもオリーブとは?

オリーブは、ジャスミンやライラックと同じモクセイ科の常緑樹です。古代から「神聖な木」として扱われ、現代では「平和の象徴」とも呼ばれています。地植えにすると高さは5mを超えてしまう植物ですが、鉢で育てるとコンパクトに管理ができますよ。

地中海地方や中近東、北アフリカが原産で、日本には1860年代に輸入されたのが始まりです。その後、オリーブを育てる気候に恵まれた瀬戸内海での栽培がスタートし、国産のオリーブが広まりました。

品種は世界で1600以上、小豆島が有名な香川県では約60種が導入されています。園芸店でもよく見かけるのは、病気や寒さに強い「ルッカ」、密集する葉が生垣にもなる「ネバディロ・ブランコ」、世界各地で生産されている「マンザニロ」などです。

基本が大切!オリーブの育て方

ポイントさえ押さえておけば、比較的育てやすいオリーブ。家のシンボルツリーや、お店のインテリアプランツとしてもおすすめです。ここでは生育環境や水やり、肥料など、ガーデニングの基本情報についてご紹介します。

日当たりと風通しのいい環境に

一年を通して、日当たりと風通しのいい環境がベスト。冬の寒さにさらすことによって、花芽や果実ができますが、雪や霜など凍結には弱い植物です。品種によって耐寒温度が異なるので、購入の際はチェックしておくと安心ですよ。

基本的には庭やベランダなど屋外での管理がおすすめですが、じつは室内でも育てられるのがオリーブの魅力。日当たりと風通しのいい窓周辺に置き、ときどき屋外で日光浴をさせてあげると元気に育ちます。

水やりのコツは土の表面チェック

土がしっかり乾いたことを確認して、たっぷりと水を与えます。オリーブは湿気が苦手な植物なので、水やりの頻度が高いと枯れる原因につながってしまいます。

また、冬は休眠期に入りますが、土の乾き具合をチェックしてから2〜3日に一度は水やりをします。乾燥状態が長く続くと、実の付き具合が悪くなってしまうことも......。むずかしく感じられるかもしれませんが、土の表面をよく観察することでタイミングが掴めますよ。

土と肥料は?オリーブを丈夫に育てよう

根腐れを防ぐため、水はけと通気性のいい土壌を用意します。土の購入は、園芸店やホームセンターなどの利用がおすすめ。オリーブ専用の土が販売されているので、配合を気にせず初めての人でも安心して使えます。普通の土を使う場合は、保水性の高いものを避けてくださいね。

より丈夫に育てたい人は、肥料を与えるのも一つの手段。目安としては、夏を避けた1月・4月・10月の3回、土の表面に適量蒔くのがおすすめです。

鉢で育てるなら植え替えを

地植えでない場合、育てているオリーブが大きく成長したら、既存の鉢よりも一回り大きい鉢へ植え替えてみるのはいかがでしょう。時期は3月中旬から5月中旬の春が最適です。幹がぐらぐらするようであれば、支柱を立ててしっかり固定してくださいね。

植え替えのときには剪定をおこない、オリーブの樹形を整えます。伸びすぎてバランスの悪い枝は、剪定用のハサミでカットすると風通しがよくなり、病害虫を防ぐ効果も期待できますよ。

果実をつけるために必要なことは?おすすめ品種

秋はオリーブの収穫時期です。ただし、オリーブを実らせるためには受粉が必須。ほとんどの品種は、異なる2種を用意して受粉させないと実がつきにくい性質を持っています。確実に受粉させたいなら、5〜6月の開花時、綿棒を使って人工的に花粉をつける必要があります。

一方で、実をつけたくてもタイミングや管理がむずかしい場合もありますよね。そんなときにおすすめしたい品種が、自家結実性のある「チプレッシーノ(シプレッシーノ)」や「ピクアル」、花粉量の多い「エルグレコ」や「ネバディロ・ブランコ」です。

自家結実性とは、自らの花粉を使って受粉を行い、実をつけてくれる性質のことを指します。違う品種を2本用意する必要がないので、その分管理も簡単。今回は、初めて育てる人でも果実をつけやすい品種を2種ご紹介しますね。

チプレッシーノ(シプレッシーノ)

チプレッシーノ(シプレッシーノ)はスマートな直立型が美しい、観賞用につくられたイタリアの品種。防風の意味を持つ「フランジベント」とも呼ばれ、−5℃まで耐えられるほど耐寒性にも優れています。

また、自家結実性があり、受粉率も高いため、1本でも実がつきやすいオリーブの木です。成長スピードがはやく、病気にも強いのがポイント。収穫した実は、ピクルスやオイルにして食べると美味しいですよ。

エルグレコ

エルグレコはチプレッシーノ(シプレッシーノ)同様に防風効果のある品種です。ギリシャ生まれのオリーブで、日本では希少品種。クリスマスツリーのような三角錐になる直立型で、細長く尖ったシルバーリーフが特徴です。

自家結実性はありませんが、花粉の量が多くて受粉樹に向いているエルグレコ。収穫できる果実は1〜2cm程の小粒タイプで、オイルづくりに最適。興味のある方は、下記で紹介するオリーブオイルづくりに挑戦してみるのはいかがでしょう。

料理にも使える!オリーブの食べ方

受粉が終わり、果実ができたらいよいよ収穫です。品種や天候によって多少の差はありますが、実の成熟期は夏から秋にかけて。オリーブは緑から赤、紫、黒へと色が変わっていくにつれて熟れていくので、料理に使いたい色になったら収穫します。

グリーンオリーブは、苦さと瑞々しさが特徴で、収穫時期は9月〜10月半ば。主におつまみや、サラダへのアクセントとして調理に使います。緑から紫、そして黒に変色したら、次はブラックオリーブの収穫期です。緑色と比べ、苦味よりも甘さがあり、ピザやパスタのトッピングに使われることが多いです。

収穫後は、汚れや傷がないかチェックしておくと安心。選別を終えたら、水できれいに洗い流してから調理に取りかかります。

まずは渋抜き、塩漬けオリーブをつくろう

収穫した果実はとても渋くて、そのままでは食べることができません。下ごしらえとしては、苛性ソーダを使った塩漬けが主流です。しかし、劇物の取り扱いに注意する必要性があり、難易度は高めです。同じ塩漬けオリーブとして、ここでは簡単な渋抜き方法を2つご紹介します。

塩水でつくるオリーブの塩漬け

準備するもの
  • オリーブの果実 500g

  • 塩 5g

  • 水 500ml

  • ガラス瓶(密封できるもの)

※塩と水は、オリーブの重量に対して濃度1%の表示です。つくる過程で必要な量は異なります。

つくり方
  1. 用意した塩と水をよくかき混ぜ、濃度1%の塩水をつくります。

  2. ガラス瓶に1を入れ、果実を浸したしたら、丸一日冷蔵庫で保管します。

  3. 取り出した中身が濁っている場合、再び濃度1%の塩水を用意して漬け替えます。中の塩水が澄んだ色になるまで、2〜3の作業を繰り返します。

  4. 濁りがなくなったら、次は濃度7〜10%の塩水に漬けて冷蔵庫で保管します。

  5. 7ヶ月〜1年程で渋みが抜けて完成です。

苛性ソーダを使用しないため、時間はかかってしまいますが、安全で簡単につくることができます。塩漬けオリーブをそのまま食べる場合は、薄い塩水に浸して塩抜きをします。

果実はグリーンとブラック、どちらでも調理可能です。塩も岩塩や天日塩など、お好みで調理できるので、オリジナルの自家製塩漬けオリーブをつくってみませんか?

塩のみでつくるオリーブの塩漬け

準備するもの
  • 完熟した黒いオリーブ

  • 塩(オリーブに対して1~2割の量)

  • ガラス瓶(密封できるもの)

つくり方
  1. オリーブと塩をガラス瓶に入れ、よくかき混ぜます。

  2. 暗所に保管して、3ヶ月程度で渋抜き完了。

※そのまま調理に使うことも可能ですが、単品で食べる場合は、数日程度薄い塩水に漬けて塩抜きをします。

事前にオリーブの種を抜いた方が、渋抜きははやく完了します。しかし、時間がない場合は種がついたままでも大丈夫です。手順としては塩をまぶすだけなので、塩水に漬けるよりも簡単にできます。ただし、ブラックオリーブの収穫には時間を要します。

オリーブオイルづくりに挑戦

少量ですが、自宅でできたオリーブからオイルを採取することができます。成功させるには、油分率の高い品種を選ぶことが重要。「ルッカ」や「ネバディロ・ブランコ」、受粉しやすい品種でもご紹介した「チプレッシーノ(シプレッシーノ)」や「エルグレコ」がおすすめです。

準備するもの
  • 完熟した黒いオリーブ

  • 食品用保存袋(密封できるもの)

  • コーヒードリッパー

  • ペーパーフィルター

  • ガラス容器

  • スポイト

つくり方
  1. 完熟した実を食品用保存袋に入れ、液状になるまで手で揉み込みます。

  2. 黄色い液体が出たら、ガラスの容器にコーヒードリッパーとペーパーフィルターをセットして1を注ぎます。

  3. 時間をおくと、たまった液体が黄色と黒の二層に分離します。黄色い方がオリーブオイルなので、スポイトまたはスプーンを使ってその部分だけを吸い取ります。

手づくりオイルの保存方法は?使いきりの目安は?

手づくりしたオリーブオイルは、光に当たることや急激な温度の変化、酸素との接触によって質が低下することがあります。そのため、それらの影響を受けないよう、このような環境をつくることが重要です。

  • 光を通しにくい濃い色の瓶などに入れ、きちんと蓋をして保存する

  • 直射日光を避けた冷暗所で保管する

  • つくってから3ヶ月以内を目安に使いきる

ドレッシングやポテトサラダに活用しよう

オリーブオイルは、パンやサラダに添えるだけでなく幅広い料理に役立つ調味料。そのままかけてサラダを味わうこともできますが、ワインビネガーと塩を混ぜたドレッシングとして一手間加えるのもおすすめですよ。

ポテトサラダをつくるときは、マヨネーズの代わりにオリーブオイルを使うこともできます。食べ慣れた料理がいつもと一味ちがうと、新鮮ですよね。また、フライドポテトやアヒージョ、パスタなどの洋風料理にも欠かせない存在です。

ライフスタイルにあったオリーブを選ぼう

いかがでしたでしょうか。観賞用として楽しむだけではなく、料理に使うこともできるオリーブ。品種によって果実のできる難易度が変わるので、樹形や果実の用途など好みのオリーブを迎えてみませんか?